絶滅危惧種の保全状況の登録について

@keitawatanabe , @skycat , @genjitsu , @sable
標記についてご相談させていただいた皆様

いつも同定のほか、様々なご協力をいただきありがとうございます。
iNaturalistでは、IUCNレッドリストのほか、北米を中心に国・州レベルで絶滅危惧種の保全状況が登録されています。これまで日本では環境省レッドリストの掲載状況は登録されてきませんでしたが、最近、日本語名の修正、サイトの日本語翻訳や固有種情報の登録など、皆様に改善をしていただいておりますので、この際、絶滅危惧種情報も登録していければと考え、掲示板や個別でのご相談をさせていただいてきました。
それらの種については、保全状況を登録するとユーザー投稿時の設定にかかわらず位置情報を不明瞭(約20×20kmメッシュ)や非公開とすることが可能となるため(投稿者、iNatスタッフ、プロジェクトの管理者だけがピンポイントの位置をみることが可能)、ジオプライバシーの運用をどうしたらよいかが論点となっていました。

様々なご意見をいただいたのですが、それらを集約したところ、個人的には「保全状況は入力するが、位置情報は一律公開にする」案で進めてはどうかという案に現状落ち着いております。
理由としては、乱獲・盗掘リスクはもちろん重々承知していますが、後述のとおり、サイト全体としてユーザーの自由を制限する運用は最低限に抑えるべきではないかという考えに納得したからです。
また、どの分類群のどのレベルまでを公開制限するかは、日本の各分類群(あるいは種レベル)の詳しいユーザーの間でその都度決めたほうがよいとも考えます。その意味でも、まずはレッドリストの状況だけ登録しておくことが妥当のように思います。

改めて、公開/不明瞭/非公開のそれぞれのメリット・デメリットをまとめてみましたので、お忙しいところ恐縮ですが、補足コメントや意見がありましたらいただけますと幸いです。
また、個別に相談をしていた都合、意見を伺える方が限られていたため、追加でコメントをいただいたほうがよい方がいらっしゃいましたら、@にてお声がけを頂けますと大変有難いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

  • 公開とした場合
    メリット
    ・iNatが市民科学のツールである点をふまえると、「ユーザー自身が希少種を認識して保全について考え、適切な選択をする機会」を担保することが、サイトの趣旨としては正しい選択なのではないか。また、長い目で見ても科学リテラシーを広げることにつながるのではないか。
    ・乱獲や盗掘以外の要因(開発行為や地球温暖化)で希少となっている種については、位置情報を公開可能としておけば保全に活用する機会を提供できる(Curators Guideのジオプライバシーの項も参照)
    デメリット
    ・ユーザーの性善説に委ねなければならないところ。
    ・ユーザー、キュレーターが巡回して、乱獲/盗掘リスクの高い種を公開しているユーザーを個々に注意していく必要がある。

  • 不明瞭とした場合(環境省の「いきものログ」はこれとほぼ同じ運用です)
    メリット
    ・現実的に特定が困難な範囲へ位置情報を不明瞭にできるところ。
    ・非公開と比べて、種同定に支障をきたさないところ。
    デメリット
    ・一律で不明瞭とすることで、詳細な位置情報が研究や保全の実務に生かされる機会を奪うことにつながる。

  • 非公開とした場合
    メリット
    ・乱獲/盗掘リスクの高い種について、生息地をより推測しづらくできる
    デメリット
    ・場所で購読/探索(同定作業)しているユーザーが気が付かなくなる
    ・位置情報を非公開としたとしても、写真の背景などから生息地を推定することは可能であるため、非公開とするメリットは低い
    ・分布情報が研究に生かされる機会を失ってしまう

Publicado el julio 13, 2020 08:18 TARDE por utchee utchee

Comentarios

ありがとうございます。「保全状況は入力するが、位置情報は一律公開にする」で依存ありません。

Publicado por keitawatanabe hace más de 3 años

@keitawatanabe コメントありがとうございます。
これで進めて問題ないかもう少し待ちつつ、バッチ処理に関する具体的な相談を運営とも進めてみます。

Publicado por utchee hace más de 3 años

@utchee お久しぶりです。最近iNatに参加できておらず、返信遅くなり申し訳ないです。私も異存はありません。基本はユーザーの判断に委ね、万が一公開されてまずいものがあれば、その都度対応するのが良いかと思います。日本人ユーザーが増えて問題が生じるようであれば、また考え直しましょう。

Publicado por sable hace más de 3 años

@sable お久しぶりです。まずはiNatの登録種リストからレッドリスト掲載種を抽出する作業をしようとしていますが、私もなかなか時間をとれずにいます。まずはこれで進めてみようと思います。コメントありがとうございました。

Publicado por utchee hace más de 3 años

簡単なエクセルマクロはできるので、やりたいことがわかれば協力できるかもです。

Publicado por sable hace más de 3 años

ありがとうございます。
このフォーラムで紹介されている形式へ環境省RLの情報を整形すれば一括登録を依頼できるので、iNaturalistに登録されている種のリストと環境省レッドリストの照合をとりたいと考えています。
https://forum.inaturalist.org/t/geoprivacy-obscuring-and-auto-obscure-discussion/457/51

手順としては、次の2つを照合すれば、まずは学名が一致しているものについて一覧が作れるはずです。

環境省のリストは、いきものログから(https://ikilog.biodic.go.jp/Rdb/booklist )
iNaturalistの分類体系は、開発者ページから(https://www.inaturalist.org/pages/developers のiNaturalist Taxonomy DarwinCore Archive)

データのサイズが大きいので、Rなどでスクリプトをうまく組まないといけないかなと考えていました。
手を止めたままとなっているのもまずいので、一旦共有させていただきます。まずは上記のリスト(特にiNat taxonomyの方)をご覧いただければ。。議論に加わっていただいた皆様、処理が遅れており申し訳ありません。

Publicado por utchee hace más de 3 años

@utchee iNaturalist Place IDはiNaturalist Taxonomy DarwinCore Archiveのtaxa.csvのIDと同じでしょうか?

Publicado por sable hace más de 3 años

@sable 一括処理のシートにあるiNaturalist Place IDは、場所(今回の場合「日本」)に割り振られた番号を入力するのだと思います。
taxa.csvのIDはtaxon IDで、分類群に固有に割り振られた番号です。同じフォルダ内のVernacularNames-japanese.csvのidと同じで、この番号で学名と日本語名を紐付けることが可能になります。

Publicado por utchee hace más de 3 años

@utchee 上のIDで良いのでしたら、IDと学名の対応表はできました。iNaturalist Taxonomy DarwinCore Archiveに完全一致する学名が無いもの、○○sp.のように属・種・亜種が指定されていないもの、「絶滅のおそれのある地域個体群(LP)」に関しては対応していません。また、「subsp.」・「var.」・「f.」を省略した学名で一致しているかどうかを調べたため、植物・藻類・菌類では環境省レッドリストでは亜種なのに対し、iNatのデータベースでは品種になっているにもかかわらず同一の分類群として扱っている可能性はあります。https://docs.google.com/spreadsheets/d/1J4NeS2ex7Vw_kXJGnqyxBPpTlcgwWgOhtIyiIMK2vTo/edit?usp=sharing

Publicado por sable hace más de 3 años

@sable ありがとうございます!!
1022種が完全一致したのですね。環境省RLが5748種なので、そもそも登録されていない学名が多いというところなのでしょうか…
問題なさそうであれば、運営との調整を始めたいと思います。重ね重ねありがとうございます。

Publicado por utchee hace más de 3 años

@utchee さすがに少なすぎるなと思ったので再度試してみたところ、倍くらいになったのでもう一度しっかりやり直してみます。すみません。少々お待ちください。

Publicado por sable hace más de 3 años

再度慎重にやり直したところ、2439件がヒットしました。
IDについての返信を確認できていませんでした。テンプレートにはtaxon IDの記入欄は無いので、IDと学名を対応させる必要は無いのですね。先ほどお送りしたリンクのスプレッドシートを改訂しましたので、ご確認よろしくお願いします。

Publicado por sable hace más de 3 años

昨晩リストを何種か見てみましたが植物が抜けているようでしたので、修正していただきありがとうございました。
また、レッドリストとiNatで学名のvar.とssp.などが違うケースについては、ふだん和名との対応関係を見ている限りでは大きく支障となるものではないように感じます。もし問題が起きたら、個別に修正していけばよいと思います。

私の方で他の必要欄を埋めて、依頼できる形式が整いました。
https://drive.google.com/file/d/1HQBZSaf8nQ0T5LoepRDbllKSGSGPoSOZ/view?usp=sharing

これをもとに、
・既に登録されているレッドリスト情報を上書きしてしまわないように、重複を削除
・残りを一括登録依頼
と進めていきます。

Publicado por utchee hace más de 3 años

早速対応していただき、ありがとうございます!
既に登録されているレッドリスト情報のリストがあれば、私の方でもすぐに重複の削除はできると思います。もしどこかにリストがあるようであれば気軽にご相談ください。

Publicado por sable hace más de 3 años

既に登録されているレッドリスト情報は、運営に依頼しないと出てこないと思いますので、今後のやり取りでデータをもらうつもりです。また何かあれば相談させてください!

これまでの英語要約にもなりますので、運営へ送ったメールのほぼ全文をこちらにも掲載しておきます。
This is a summary of this topic in English. Here's an extract from an email I sent to the iNat staff.

Conservation statuses in Japan are currently rarely entered, but I discussed it with active Japanese users and created a list for batch processing.
So, I'd like to request a batch registration based on this data.

Discussion and summary in my journal (in Japanese)
https://www.inaturalist.org/posts/38308 (this page)

Conservation statuses list in Japan
https://drive.google.com/file/d/1HQBZSaf8nQ0T5LoepRDbllKSGSGPoSOZ/view
This list was compiled by matching the latest iNaturalist Taxonomy DarwinCore Archive downloaded from the developer's page with the Ministry of the Environment Japan Red List and selecting only those taxa that were an exact match. With help from @sable.
We use the template shown in iNatForum (https://forum.inaturalist.org/t/geoprivacy-obscuring-and-auto-obscure-discussion/457/51 ).

Also, I have the following issues related to this process.

I couldn't find the iNaturalist Place ID for Japan, so I left it blank.

I want to check for duplicates with existing information before batching so that I don't overwrite the already registered conservation statuses.

We were only able to extract about half of the Red List species, so the rest will be entered manually.

We have carefully discussed the taxon geoprivacy setting. Although there was a suggestion that all taxa should be obscured, it was finally agreed that they should all be open. Because we want to ensure that "users themselves are aware of endangered species and have the opportunity to think about conservation and make appropriate choices." And if species are becoming rare due to factors other than overfishing (such as development or global warming), making location information available to the public can provide an opportunity to use it for conservation.
Of course, the species that are heavily affected by overexploitation should be discussed with expert users and curators to make changes that obscure them. But we want to promote understanding so that users first make appropriate choices about geoprivacy themselves.

Publicado por utchee hace más de 3 años

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